【体育会学生に読んでほしい】業界分析‐清涼飲料業界‐
はじめに
コンビニエンスストアやスーパー、そして自動販売機などで“いつでもどこでも”購入することができ、人間が生きていく上では欠かせないものとは何でしょうか?
そうです。「飲料(水分)」です。
練習中や練習後に喉が渇いたときに、必ず口にするかと思います。生まれてからこれまでに、「何も飲んだことがない」という人は絶対にいないでしょう。
就職活動について考えてみると、体育会学生を含めた就活生にとって人気の就職先でもあります。この記事ではアルコール飲料以外の飲料。いわゆる「清涼飲料業界」について説明していきます。
どんな業界なのか?
お茶やジュース、缶コーヒーなどの「飲料」を開発し、缶・ペットボトル・紙パックなどの形態で販売している業界です。企業が直接販売するというよりも、コンビニエンスストアやスーパーなどの小売店に販売するケースがほとんどでしょう。その他にも自動販売機を自社やグループ会社で管理し、そこで販売しているという企業もあります。
「清涼飲料事業」だけではなく、「アルコール飲料事業」や「食品事業」、あるいは「医薬品事業」などを展開していて、事業ごとに企業を立ち上げているケースが多くみられます。ですので、採用募集を探す際には、グループで一括採用なのか、その事業会社単独で募集しているのかをしっかりと調べてから応募しなければいけません。
それでは売上業績TOP10を確認してみたいと思います。
1位:サントリーHD
グループの中で、「清涼飲料」を担当しているのは「サントリー食品インターナショナル」です。主力商品には缶コーヒーブランド「BOSS」や「サントリー烏龍茶」、「サントリー 南アルプスの天然水」、「ペプシコーラ」などがあります。
企業HP:https://www.suntory.co.jp/
2位:コカ・コーラボトラーズジャパンHD
日本コカ・コーラとパートナーシップを組み、「コカ・コーラ」や「ファンタ」、「GEORGIA」など、日本コカ・コーラが開発する商品を1都2府35県にわたって販売をしています。
2018年1月に「コカ・コーライーストジャパン」、「コカ・コーラウエスト」その他4社が合併してできた企業です。
3位:伊藤園
緑茶の「お~いお茶」や烏龍茶など、“お茶系”の清涼飲料で地位を築いた企業です。そのほか、「1日分の野菜」や「TEA’S TEA」なども販売をしています。
4位:ヤクルト本社
「予防医学」「健腸長寿」という考えをもった創始者:代田稔によって創業した企業。乳酸菌シロタ株やビフィズス菌を含んだ乳製品や乳酸菌飲料などが主力の商品です。これらを軸とした食品事業のほかにもノウハウを活かした「化粧品事業」「医薬品事業」なども手掛けています。
企業HP: https://www.yakult.co.jp/
5位:アサヒグループHD
アルコール飲料なども事業展開している一大企業です。清涼飲料に限って言うと、炭酸飲料「三ツ矢サイダー」や缶コーヒー「WANDA」、お茶「十六茶」が主力商品です。飲料事業は「アサヒ飲料」が展開しており、2012年には乳酸菌飲料の「カルピス」を手がける「カルピス株式会社」を買収し、グループ傘下としています。
企業HP:https://www.asahigroup-holdings.com/
6位:大塚HD
「ポカリスウェット」が有名な大塚HDは、「機能性飲料」を取り扱う事業として「ニュートラシューティカルズ関連事業(栄養、医薬品)」がこの業界にあたります。飲料メーカーとしての側面よりも、医療関連事業としての側面が大きい企業です。
企業HP:https://www.otsuka.com/jp/
7位:キリンHD
清涼飲料のみならず、アルコール飲料も展開している企業グループです。飲料事業としては国内では「キリンビバレッジ」が担当しています。主力商品は「午後の紅茶」や「生茶」、缶コーヒー「ファイア」があります。
企業HP:https://www.kirinholdings.co.jp/
8位:ダイドーグループHD
もともとは配置薬業(直接消費者にくすりを届け、使用した分だけの代金を回収する)を始めた大同薬品工業から派生した企業です。自動販売機の開発とともに事業を拡げてきたため、国内飲料事業は自動販売機のオペレーション業務を担当している「ダイドービバレッジ」とコーヒー飲料「ダイドーブレンドコーヒー」が主力商品の「ダイドードリンコ」が担っています。
企業HP:https://www.dydo-ghd.co.jp/
9位:サッポロHD
北海道・札幌にて創業した140年以上の歴史を持つ企業です。アルコール類、食品飲料がコアの事業となっていて、食品飲料事業は「キレートレモン」、「ポッカレモン」が主力商品となっている「ポッカサッポロフード&ビバレッジ」が手掛けています。
企業HP:https://www.sapporoholdings.jp/
10位:カゴメ
「トマトジュース」や「野菜生活100」など、トマトや野菜を活用した飲料が主力商品の企業です。現代人に不足していると言われている「野菜」を活用した商品を開発、展開していくことに力を注いでいます。
企業HP:https://www.kagome.co.jp/company/
参考:業界動向SEARCH.COM 清涼飲料業界売上高&シェアランキング(2017-18年)
URL: https://gyokai-search.com/3-drink.htm
今後の動向
日本国内の人口減少にともない、この業界も国内消費に関しては頭打ちを迎えています。そのため、業界内の競争が激しく、様々な企業による合併や買収が活性化しています。また、健康志向の人が増え始めた影響からか、「乳酸菌飲料」や「ミネラルウォーター」の売り上げが上がってきています。逆にコーヒー飲料が下がってきていて、これはコンビニなどの小売店各社が独自のコーヒーを商品として販売したこと、若者にカフェが流行していることの影響であることが推察されます。
コーヒー飲料に関しては、「缶コーヒー」という形が主な商品体系でしたが、2017年にサントリーが発売した「ペットボトルコーヒー」が若者や女性に人気を呼び、売り上げを伸ばしているということも押さえておきたいトピックスといえるでしょう。
国内消費の頭打ちを迎えた中、上位の企業の中には海外進出を積極的に行っている企業もあり、単独で現地法人を立ち上げたり、現地企業を買収したりという展開も活発に行われており、この勢いは今後しばらくさらに活発になっていくことが予想できます。
最後に
いかがでしょうか?国内消費の頭打ちの波はこの清涼飲料業界にも訪れています。とはいえ、需要の母数自体が大きいため、業界自体が急に縮小することは考えにくく、各社対策を打って出ているので、その意味では安定している業界です。
売上上位の企業は国内的にも国外的にも有名・人気企業であるため、「有名・人気企業」で働きたい!という人にはお勧めの業界です。これらの企業に就職できれば、親戚一同大喜びかもしれません。
ただ一度立ち止まって考えてほしいのは、就活において一番大切なことは、自分に合った理想の働き方をするということです。
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