【体育会学生に読んでほしい】業界研究ラボ-観光業界-
はじめに
近年、日本の各所で外国人観光客を見かけることが多くなりました。日本政府観光局が発表したデータによると、2018年の訪日外国人数は統計開始以来の最高記録である「3119万人」にも上ったそうです。
体育会学生にとっては、試合や合宿などの遠征で、旅館やホテルを利用することが多いかと思います。中に旅行が好きで日本国内や海外に行ったこともある人もいるでしょう。
この観光における日本への人気は今後も続いていくと予想されており、こと就職活動という面で考えても、人手が欲しいため、力を入れていく企業が増えていくかと思います。
この記事では、この「観光」を担っている業界を「観光業界」というくくりで紹介していきたいと思います。
どんな業界なのか?
一言で「観光業界」と言っても、その様相は多種多様にわたります。CSParkCareerでは以下の3つに絞って紹介します。
旅行業(エイチ・アイ・エス、KNT-CTホールディングス、近鉄グループHD etc)
旅行する人のために、宿泊施設の手配や交通手段の確保などを行ったり、どこを回るかという観光先までを含めたツアー旅行などの商品を開発する企業がこの旅行業に当たります。
「旅行」と聞くと、店舗カウンターのスタッフの印象が強いですが、もちろんそれだけではありません。一般顧客を担当する以外にも、企業の研修旅行・社員旅行の企画を行う法人営業部門であったり、実際のツアーについていくツアーコンダクターなどの職種もあります。また、各社の支店が世界中に点在しているので、海外駐在する機会も多いというのがこの業界の特徴の一つと言えるでしょう。
レジャー施設(オリエンタルランド、ユー・エス・ジェイ etc)
日本各地に存在するテーマパークや動物園、水族館などを総じて「レジャー施設」と言います。そして、その「レジャー施設」を運営するのが「レジャー施設業」ということです。施設単独で運営している企業もあれば、鉄道業などのグループ会社が運営している企業もあります。
この業界は長らくオリエンタルランドが1位を独走しています。しかし、ここ10年ほどで大阪にある「ユニバーサルスタジオジャパン」も観光客数を大幅に伸ばすなど、業績を伸ばし続けていることも注目トピックスと言えるでしょう。
大型のテーマパークなどは集客に苦戦していますが、新たな「体験型レジャー施設」といったジャンルが人気を集めるようにもなってきています。
ホテル業(西武HD、リゾートトラスト、東京急行電鉄etc)
旅行の楽しみの一つといえる「ホテル・旅館」を運営している企業が属する業界です。宿泊する部屋を売ることで収益を上げる以外にも、併設されているレストランの経営や結婚式場の運営なども手掛けている場合もあります。
全国各地に散らばる創業100年を超える旅館や別業界のグループ会社が運営するホテルなど、こちらも企業の種類は多種多様にわたります。
観光ホテルのほか、都市部に多いビジネスホテルや近年では民泊と言った業態が生まれるなど、消費者ニーズに合わせた変化の多い業界でもあります。
今後の動向
「観光業界」全体の動向を考えると、外国人観光客の数は今後もしばらくは増え続けることが予想されているため、業績も右肩上がりとなることが期待できるでしょう。また、旅行業の免許取得やホテルの建設などはなかなかベンチャーを立ち上げて担うことが難しいため、そういった意味で考えると新規参入はなかなかハードルが高い業界かもしれません。
3つの業界の今後の動向についても紹介したいと思います。
旅行業
既に述べているように、外国人観光客数は今後も伸びていくことが予想されていますが、国内旅行に対する需要は頭打ちを迎えています。人口が減っていくことを考えると、国内旅行者数は徐々に減っていくかもしれません。
こう聞くと、未来が少ない業界のように感じてしまうかもしれませんが、日本政府は「観光立国」という政策を掲げています。既に外国人観光客数は伸び続けていますが、2020年にはその数を4000万人までに伸ばそうとしているので、業界全体としては伸び幅が大きいといえるでしょう。
レジャー施設
外国人観光客数の増加の後押しを受け、大型テーマパークは利用者数をどんどん伸ばしています。
国内需要を考えてみると、商品自体に価値を求めるのではなく、購入したことで得られる経験・体験に価値を求める「コト消費」へのニーズが高まっています。このニーズにこたえるべく、レジャー施設では施設投資を積極的に行っていて、頭打ちと考えられていたレジャー施設への需要は回復するかもしれません。
ホテル業
「旅行業」「レジャー施設業」の市場が拡大すれば、その影響を受けるのが「ホテル業」です。この2つの業界が順調でいるうちは「ホテル業」への需要も安定的であるといえるでしょう。
しかし、需要があっても供給できる数には限りがあり、各社が利用料金で競い始めると、市場としては縮小していってしまいます。また、民泊や簡易宿泊所などの利用率も上がってきているため、就職する企業によっては安心できない場合もあるかもしれません。
最後に
いかがでしょうか?簡単ではありますが、以上が「観光業」の紹介になります。
2011年の東日本大震災の影響で市場としては一時、縮小傾向にありました。また、一気に縮小することは考えにくいということと、今後5年は世界的なイベントが続くため、まだまだ市場は拡大していくかもしれません。
旅行が好きな人、安定的な業界で働きたいという人にとっては魅力的な業界といえるでしょう。
ただ一度立ち止まって考えてほしいのは、就活において一番大切なことは、自分に合った理想の働き方をするということです。
そのためにも、「自分の理想の働くスタイル」や「社風」などを見つけるために、自己分析や自己分析や企業研究は入念に行いましょう。
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