【体育会学生に読んでほしい】業界分析‐証券業界‐
はじめに
「証券」と聞いて何を思い浮かべますか?多くの学生の場合、「よくわからない」というのが正直なところではないでしょうか?
それもそのはずです。一般的な学生の日常生活の中で「証券」が関わってくることはほぼありません。ですが、就職活動に関して言えば、志望業界として人気の業界でもあります。
そこで今回は「証券業界」について説明したいと思います。
業界について
一言でいえば「有価証券」を取り扱っている企業です。「有価証券」とは財産的価値を持つ権利を表彰する証券のことを指します。例えを挙げると、株券や国債・社債などがあります。
「お金(日本円)」との違いを簡単に説明すると、日本国内における「お金(日本円)」そのもの価値は基本的には変わりませんが、「有価証券」は国内の情勢によって価値が変わるものになります。
「証券業界」というのは、この「有価証券」の価値が変わることを利用して利益を稼ぎ出す企業のことを指します。その収益構造は2パターンに分かれています。
手数料収益
ある企業が株式を売り出す際に「証券会社」がその株式を市場を通さずに独占し、一般投資家への売却を仲介することがあります。業界用語として「引受(ひきうけ)」といいます。
この「引受」をした株式を一般投資家へ売却できた際に「証券会社」は手数料を取るのですが、それが単純に「証券会社」の利益となるのです。
ある企業にとっては一手に請け負ってくれるので、必ず資金が調達できるメリットがあり、「証券会社」にとっても、その企業の株式の人気が高ければ必ず売却できるメリットがあります。ただ、株式が売れなかった際には「証券会社」の負担が出てしまうので、リスクがあるものでもあります。
それ以外にも、一般投資家からの要望を受け、株式の売買を仲介するさいに手数料をとることで利益を出すこともあります。
トレーディング(運用)収益
「証券」の仲介を行うだけでなく、発生した利益を基に「証券会社」として「証券」の売買を行います。その運用ででる利益がそのまま収益となります。また、運用することで出た利益をさらに運用することで利益をどんどん増やしていくことができます。
「証券会社」には「有価証券」という財産的価値が変わるものを取り扱っている手前、とても世の中の影響を受けやすいという特徴があります。
2000年代後半に起きた、世界的な経済問題(サブプライムローン、リーマンショック、金融危機)の影響をうけたときには業績が一気に落ちました。その後は、景気も順調に回復してきていると言われているので、それに伴い業績も回復しつつあると言われています。
そのため、「証券会社」で働くのであれば、この世の中の景気の動向について敏感になっていなければいけません。景気の波を読み切り、顧客である一般投資家に不利益を与えないことが、「証券会社」には求められています。
以下に、国内大手5社と呼ばれる「証券会社」をまとめたいと思います。
野村證券
国内の市場を圧倒的な市場シェアでひた走る国内第1位の企業です。設立は1925年となるので、100年近く続いているという意味でも大企業と言えます。
どの銀行とも資本提携などを行わず、いわゆる独立系として市場のトップに君臨しており、長年トップにいることから「野村」というブランド自体にも信頼があると言えます。
企業HP: https://www.nomura.co.jp/
大和証券
1902年にその母体が始まっており、100年以上続いている歴史のある独立系企業です。歴史(経験)があるということに加え、2009年まで三井住友フィナンシャルグループ(FG)と合併していたことによる、銀行としてのノウハウも併せ持っています。
企業HP:https://www.nomura.co.jp/
みずほ証券
みずほフィナンシャルグループ(FG)の傘下にある銀行系の「証券会社」です。2000年に3つの証券会社(第一勧業、興銀、富士)が合併してできました。
みずほFGは業種を超えての連携力が高く、グループとして足並み揃えて協力していくということが強みでもあります。
企業HP:https://www.mizuho-sc.com/index.html
SMBC日興証券
三井住友FGの子会社である「証券会社」です。もともとは「日興証券」として、「野村」「大和」と並んで市場を活性化させてきていましたが、2009年に三井住友FGの傘下へ入り、社名も「SMBC日興証券」へと変更しました。独立系としての歴史の強みと、銀行系のグループ傘下という強みを併せ持っています。
企業HP:https://www.smbcnikko.co.jp/index.html
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
三菱UFJフィナンシャルグループ(FG)と外資のモルガン・スタンレー証券の投資部門の統合によって誕生した企業です。5社の中で唯一、海外の資本が入っており、そのことが強みと言えるでしょう。
企業HP:https://www.sc.mufg.jp/index.html
今後の動向
今後の動向に関して言えることは、世の中の景気次第ということです。景気が良い時には業績をあげ、景気が悪い時には業績が下がります。1990年のバブル崩壊時には、その影響を受けた大手証券会社が倒産するといった出来事があるので、今の大手企業も安泰とは言い切れないのかもしれません。
そして、やはり新たな流れと言えるのが「ネット証券会社」の存在です。インターネット上で売買ができる手軽さと手数料の安さから一気に人気となりました。
「ネット証券会社」は実店舗を必要最低限の数に絞ることで、人件費など経費を削減しています。その分、手数料が安くすることができ、そこが投資家から好評を得ました。
取り扱う金額自体は、まだまだ大手には及ばないですが、「ネット証券会社」の取扱件数はいまや大手にせまるともいわれており、今後は確実に「証券業界」の主流となっていくでしょう。
ただ、大手もただ指をくわえているわけではないはずなので、ビジネスモデルの大幅な変化があるかもしれません。そういった意味では、景気の影響以外でも今後の動向が変わっていくかもしれません。
最後に
景気の影響を受けやすい企業で働くということは、景気について常に最新の情報を知っていなければいけないということです。
普段からあらゆる情報を収集する性格がある人、あるいは、常に新しいことに手を出すことに抵抗がない人にはうってつけかもしれません。
ただ一度立ち止まって考えてほしいのは、就活において一番大切なことは、自分に合った理想の働き方をするということです。
そのためにも、「自分の理想の働くスタイル」や「社風」などを見つけるために、自己分析や自己分析や企業研究は入念に行いましょう。
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