アスリートOG・OBインタビュー⑦ 日鉄住金物産株式会社 林和成さん(筑波大学蹴球部 卒)

インタビュー

CSParkの姉妹サービスとして2014年より始まった体育会学生の就職サポートサービス"CSPark Career"。 ここでは体育会学生が就職活動と部活動の2つを両立し、共に全力で取り組めるようなイベントやサービスを提供していますが、今回からそのサポートの一環としてCSParkと連動した"元体育会学生"によるインタビューを連載していきます。

 

"体育会の強みって?"

 

"スポーツしかやっていなくて就職活動が不安…"

 

"実際に先輩たちはどういう仕事をしているの?"

 

… など、自分の進路を考える上で悩みは尽きないもの。その疑問や不安を解消し、1人1人の体育会学生が自信を持って就職活動に臨めるように、先輩たちが部活 に励む体育会学生の皆さんへのメッセージを添え てインタビューに協力をしてくれました。第6回は筑波大学蹴球部の卒業生であり、現在は日鉄住金物産株式会社にお勤めの林和成さんにお話を伺いました。


❏"最後のチャレンジ"としてサッカーの強豪校・筑波大学へ

—まずは、スポーツの歴も含めた自己紹介をお願いします。

 出身は兵庫県西宮市です。走るのが速く、その強みを活かしたいと思い、小学校3年生でサッカーを始めました。野球だと打たなければ走ることは許されませんが、サッカーはずっと走っていられる!そう思っていたんです(笑)中学生の頃はクラブチームに入ってプレーをしていて、中学卒業後、高校生になるタイミングでプロを目指し、様々な強豪クラブを受けました、しかし、思うような結果は出ませんでした。そのような経緯もあり、高校はクラブチームではなく、部活でのサッカーを選択しました。当時は選抜の制度もあり、市や県の選抜を目指してやっていけばプロにもなれるんじゃないか。そう思っていました。ただ、入ったサッカー部がそれほど強くはなく、簡単にはいきませんでした。市の選抜には選ばれる事が出来ましたが、県選抜には選ばれず。部活の中では上手いと言われてキャプテンも務めていましたが、いま振り返ると、高校時代はサッカー面で思うように成長することが出来なかったかなと思います。当時は監督・コーチ不在で、練習メニューや試合のメンバーはキャプテンである僕が中心に決めていました。なので、朝は5:30からの自主練を自分のために、午後の練習時間はチームのために使うという感じで、自分の力を伸ばすことだけに集中出来るといった環境ではありませんでした。それでも、人間性の面ではこの時期に監督兼選手という経験が出来た事で成長できましたし、非常に良かったと思っています。このような悔しさもあり、大学生になるタイミングでは、最後にチャレンジしないとと思い、厳しい環境を求めてサッカー強豪校に行こうと思いました。当時、筑波大学がサッカー日本一を争っており、国立大学ということもあったので受験を決意しました。学力の面で努力が必要でしたが、どうしても入学したい思いが強く、1年の浪人を経て入学、憧れのサッカー部に入部することが出来ました。


—筑波大学蹴球部に入ってみていかがでしたか?1年浪人して、人生で1番といっていいほどレベルの高いところでプレーをすることになったことから、難しさもあったかと思います。

 周囲のメンバーについていく上で、恐ろしいほどレベルが違うという訳ではなかったんですけど、トップでプレーする選手については「越えられない」という印象を受けました。同期には八反田康平(J1 清水エスパルス所属)、三浦雄也(J2 V・ファーレン長崎所属)、石神幸征(J2 水戸ホーリーホック所属)などがいました。入部当初は8軍中7軍と言ったカテゴリーで社会人リーグに出ていました。4年時には2軍まで行くことが出来ましたが、トップチームには1度も行くことが出来ませんでした。生活リズムは、朝練をしてから授業に出て、午後錬にいくという感じです。みな1人暮らしをしていて、プライベートはだいたい誰かの家で遊んでいましたね。都心に出ることは少なかったです。



—なかなか上に上がれない中、辞めたいと思ったことはあるのでしょうか。

 一度もありません。筑波大学蹴球部の主将は出来た人間が代々務めていて(笑)。僕の代は三浦(雄也)が主将でした。彼が、『競技だけが日本一でいいのか』とチームメイトに問うんです。それは違うだろうということで、みんな色々と自分なりの働きかけをしていました。例えば、少年サッカーのコーチとして地域活性化に貢献する人、トレーナーとして選手のサポート役に徹する人、”学連”という運営組織で大学サッカー界をより良くするために尽力する人。と言った具合にですね。そんな中、僕が選んだのは応援でした。応援を通して、より一体感のある組織にしたいと思ったんです。チームとして"日本一”という目標がある中、逆に割りきって、1軍は競技で日本一を、それ以下の人はもちろんトップは目指しますが、全力で組織の為にサポートをすると。定期的に同期が集まり、“1人1人がチームの為に何が出来るか”を発表する機会がありました。そこで僕は「筑波大学蹴球部が、尊敬される日本一の組織になるため、応援団長をやる」と言いました。非常にやりがいのある組織だったので、「やめる」やの字も出てきませんでしたね。



—そこで経験した、組織内で自分の役割を探すというのは社会人になっても生きているかと思います。

 サッカー選手の中でも、シュートが得意だけどあまり走るのが速くない選手がいたりしますよね。いかに得意なシュートに持ち込めるかを常に考えますし、周囲に自分の特徴を理解してもらうよう、コミュニケーションを取ると思います。僕もサッカーを通して自分の良い所と悪い所、チームに対して何が出来るか、又は出来ないか、という事をずっと考えていました。そういった習慣が社会人になった今、非常に生きていると思います。仕事では専門的なことに取り組むばかりよりも、自分のネットワークを形成し、周囲を巻き込むことが得意だなと思っています。例えば問題が起きた時、誰に聞いたら一番早く解決出来るかを考え、自分の力になってもらいます。会社では法律のことは法務部に、貿易のことは貿易関連の部署に専門家がいます。そういった頼れるキーパーソンと良い関係を築かせてもらっているので、スムーズに仕事をすることが出来ています。自分が中心となり人を巻き込み、良い人間関係を形成することで、皆に気持ち良く仕事をしてもらうことが出来ているかなと思います。

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❏商社の営業はチームのリーダー

—具体的な仕事内容はどういったものでしょう?

入社1年目から3年目までは繊維事業本部のスポーツ衣料課という部署にいました。スポーツアパレルが主なお客様で、海外で物作りをして、日本のお客様に納品するという流れです。今年の4月からは、組織の名前が変わり機能衣料課という部署になったのですが、これまでのスポーツアパレルの案件を持ちつつ、ユニフォームや飲食店の店員さんが着用するパンツやエプロン、帽子なども扱っています。その中で、自分は営業マンとして、どうすればお客様からオーダーを貰えるかというのを考えます。「この素材は当社しか扱えないから、この素材を使うなら当社にオーダーを下さい」とか「当社のミャンマーでの縫製がメリットありますよ」とか。『どんな素材を、どこの国で、いくらで、納期は・・・』という一連のスキームをお客様に提案します。これを入社してから4年間やっています。仕事は死ぬほど大変です(笑)

 僕の考えですが、商社の営業担当はコストの面も含めて、チームのリーダーとなって動きます。僕たちの場合で言うと、”繊維”という業界で、お客様からオーダーを貰い、海外で製品を作って仕入れ、お客様に販売します。そこでのリーダーということは、様々な立場の人に指示をしなければなりません。その時に、生地の知識がなければ、生地を仕入れる担当者に指示が出来ない。生産にどれくらいの時間を要するかという納期感がないと、「いつまでに資材を送るから、いつまでにものを輸入してくれ」ということも生産管理の人に伝えられない。1,2年目はこのような知識が0に近かったので、本当に苦労しました。立場上、1年目であろうと2年目であろうと自分がリーダーなので、皆が僕にジャッジを求めて来ます。そこで迷っているとお客様はもちろんのこと、社内のデザイナーの方、上司等々、四方八方から怒られたりもしました。プロの中にいきなり飛び込み、できないことも多く、そこで感じた自分の実力とのギャップにかなり苦戦しました。



—海外出張などもあるのでしょうか。

 ほぼ毎月1回は海外出張に行きます。いま1番多いのは中国ですが、台湾やタイ、ミャンマー、インドネシア、バングラデシュなどのASEAN諸国が増えて来ました。出張の目的は主に、仕入先との値段や納期の話、今後の取り組みについての商談です。


—社会における体育会学生の強みはどういう部分だとお考えですか?

 圧倒的な強みは、コミュニケーション能力かなと思います。目上の人にしっかり振舞えるというのはもちろんありますし、チームメイトとの交流から、人と対話する上での相手との距離の縮め方が上手だと思います。周囲に対して上手く指示をして、チームをひっぱり、自分だけでなく皆のモチベーションが上がるように務めることができる。そういった面が体育会学生の強みかなと思います。あとは、物事を習得するために努力することが出来るところも強みだと思います。



—最後に、就活をする体育会学生に向けてメッセージをお願いします。

 “等身大の自分をしっかり見つけて、等身大の自分で勝負すること”これに尽きると思います。就活をする上で、その仕事に関する専門知識がないということはデメリットでもなんでもありません。まずは人としての基盤があれば、知識は後からつければいいんです。体育会の人は体育会で精一杯努力したことや、そこで培った様々な経験、能力に自信を持って、臨んで頂ければ、全く持って大丈夫!そう思います。

就職活動、楽しく取り組んで下さい!

<取材・文・写真 / 竹中玲央奈>


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林 和成 (はやし かずなり)

筑波大学体育専門学群(蹴球部)卒
日鉄住金物産株式会社
繊維事業本部
機能衣料第二部
機能衣料課


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