【後編】新しい時代で活躍する体育会学生、ニューアスリートの創り方
※こちらの記事は「【前編】新しい時代で活躍する体育会学生、ニューアスリートの創り方」の続きとなります。
第四次産業革命の発端により、「0→1の仕事」に関わることが、人間が介入することの価値へとなりつつあります。
今までは「体育会学生=価値の高い存在」という構図でしたが、第四次革命後は価値を発揮し続けることのできるアスリートと、そうでないアスリートに分かれていくと考えられています。
私達は前者を「ニューアスリート」と定義し、後者を「オールドアスリート」と定義しています。
世の中では、ニューエリートという言葉が広く普及し、「今までの価値あるエリート」と「これからの価値を持つエリート」には様々な点で違いが生まれるであろうといった本が有名になっていますが、同様のことが体育会、アスリートという括りでも起こりつつあるようです。
ニューアスリートの定義とは?
ニューエリートの定義をいくつかご紹介しましたが「ニューアスリート」の定義とは一体なんなのでしょうか?
私達はニューアスリートを以下のように定義しています。
思考
組織の中で指示を受けてその通りに動くのではなく、自分から仕事を取りに行く、もっと言えば自分から仕事を作ることのできるアスリートが今後はもっと活躍しやすくなります。
主体的vs受動的
そんな言葉がしっくりくるかもしれません。
少し具体的にお話をすると「全国優勝しようぜ!」というチーム目標をキャプテンから聞いた時に、
「はい!しましょう!がんばります!」
という後輩。実はこれは目標だけを追いかけてしまっています。
「目標だけ追いかけてればいいじゃん。」
確かにそうです。
ですが、目標を追いかけて頑張ることって誰にでもできそうじゃないですか?
だって、それを追いかけるのがチームの目標だから。そのチームは個人が集まってできています。だからこそ、個人が目標を追いかけているというのは当然といえば当然なことなのです。
「じゃあ、なにをすればいいの?」
そこで出てくるのが、目的と目標の話です。
目標は通過点、目的は終点
全国優勝がしたい。
それは立派な目標です。
ですが、それが目標であるということは、その先に終点があるはず。
多くの体育会学生が通過点であるはずの目標を追いかけるあまり目的を見失っています。
「なんのために全国優勝をするのか?」
みなさんはなんのために全国優勝を目指していますか?
「人生で一度だけでも、日本一からの景色が見たい」
「激しい競争の中で勝つという経験がしたい」
「最高の仲間と最高の経験がしたい」
人によってそれぞれだと思いますが、常に目標ではなく目的を追って頑張れるアスリートこそニューアスリートと呼べるでしょう。
欲求
中学校の社会の授業で、マズローの欲求階層説というものを勉強したことを覚えているでしょうか?
そう、人間はまず生理的欲求を第一に望み、それが満たされると安全の欲求→社会的欲求→承認欲求→自己実現の欲求と順々に欲求が満たされていくピラミッドの図です。
大きな世の中の流れから見ると、おじいちゃんおばあちゃんの世代は神風特攻隊や徴兵制度のような”国”のために身を捧げ、国という社会での役割を全うしてきました。
お父さんお母さんの世代は終身雇用、年功序列という制度の元、会社という”組織”のために頑張り、集団から価値を認められる、尊重してもらうことで欲求を満たしてきました。
今はSNS上での、いいねや、副業・複業が認めている会社も多くなり、自分の所属する組織が増えたため、承認の欲求が満たされやすくなっています。その結果、承認欲求が満たされ、自己実現の欲求を満たそうと考える人達が増えてきているのです。
「国」→「会社・組織」→「個人」へ欲求変化
最近、社会では「◯◯商事のAさん」という表現がから「Aさんですよね、〇〇に所属している。」などのように、組織より個人にフォーカスされることが多くなりました。
これは「目標は通過点、目的は終点」の話と似ていますが、今までは組織としての目標を追いかけていた人たちが、個人としての目的を掲げ、それを実現するための手段として、通過点である組織としての目標を意識するようになってきているのです。
つまり、組織からの承認欲求から自己実現の欲求という一つ上の次元を満たすために日々努力をするニューエリートが増えてきているのです。
この流れはもちろん体育会にも当てはまります。
個人の自己実現を目的とするニューアスリート、組織からの承認欲求を求めるオールドアスリートへと今後のアスリート全体でも二極化が進んでいくでしょう。
組織
ニューアスリートは既成の組織の中に存在するだけでなく、常に組織を進化させます。
例えば、今年立ち上がった一年目の団体です、といった場合には、たいてい全員が当事者意識を強く持ち組織を創ることに強い関心を抱いています。
しかし、2年目、3年目に入ってきた人たちはそういった意識に欠いていることが多いのです。
1年目の人たちは0から組織を創り上げているため、自分たちが動かなければ何も生まれないことを実感していますが、途中から入ってきた人たちはすでに出来上がっている組織やルールを見て、自分たちは何もしなくても、先輩たちが創り上げてくれる!といった意識になってしまいます。
部活動において、学年・幹部に関わらず、自分が組織にとってなにができるか考え、主体的に動くことのできる人こそが今後の社会で求められる人材となっていくでしょう。
就活軸
弊社では、就職支援のみならずアスリートのキャリア支援を行っていますが、どこの会社を受けても内定を獲得して帰ってくる体育会学生には共通点がありました。
それは、自分の夢を心から語り、その夢の実現に向けての行動が明確な学生です。
終身雇用が当たり前の時代には、どこの企業に就職をすれば安定した人生を送ることができるだろうか?という視点で企業を選ぶ学生が多かったのですが、今は入社した企業がいつまで存在するかも不明で、新卒入社後3年で30%が転職をするという時代です。これまでは会社に対して安定を求めてそれが裏切られることは少なかったですが、今はそうではありません。
だからこそ「企業に対して安定」ではなく「自分に対して成長・自己実現」を求める学生が多くなっています。
企業側も安定を求めてくる学生よりかは、自己実現、自己成長のために努力をし、活躍している学生が多いようです。
あなたはどうなる?
「就活3強」の一つ、体育会。
今までは体育会は一括りに、就活に強いという良いレッテルが貼られてきましたが、近い将来その流れはなくなるでしょう。
体育会学生は大きく二分し、就活で大活躍する「ニューアスリート」と、体育会は強いはずだ…という過去のレッテルに思い悩む「オールドアスリート」
どちらが正解という答えは無いですが、今後、自分の夢の実現の可能性、組織への貢献度が高いのはきっとニューアスリートでしょう。
変化するものだけが生き残る
みなさんご存知、ダーウィンの名言に
「最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である。」
という言葉があります。
21世紀。ITの進出により今までにないスピードで時代が変化しています。
常に外部環境の変化に対応しながら部活動、就職活動そして人生を歩んでみて下さい。